青の時代

恥ずかしながら生まれて初めて読みました、三島由紀夫作品。読むことになったきっかけは、この『青の時代』の元ネタであるところの「光クラブ事件」を、これまた最近初めて知って興味を引かれたため。光クラブというのは戦後の初期に現役東大生がはじめた金融屋さんの社名で、一時的にとはいえ結構繁盛していたそうな。
主人公・川崎誠=山崎晃嗣氏は自分の行動を分単位で日記に記録していたという変わった人物で、その日記の一部がネット上に画像として転がっていましたが、いやまさかそんなことまで記録していたとは、驚き。結局会社はすぐに立ち行かなくなり山崎氏は自殺してしまうわけだけど、それに比べると本書『青の時代』は、わずかながらも主人公の未来に明るいものがありうるような、そんな物語の締め方だったのが印象的でした。

青の時代 (新潮文庫)

青の時代 (新潮文庫)