バブル(に乗り遅れた?)コンポ

バブル期に開発・販売された製品は、高級品はもとより普及価格帯のものでもお金の掛かった作りをしているものが少なくなかったとか。

たとえば日本を代表する大衆車トヨタ・カローラもこの頃のモデルは出色の出来だった、というのはこちらのカローラ・スプリンター購入期等に詳しいところです。高級車は高級車でホンダNSXやユーノスコスモの誕生などなど、自動車という1カテゴリだけでもバブル期特有のオモシロ話は枚挙にいとまがありません。

sony liverty placido ss-vf1

で、話は画像のスピーカー(ソニー SS-VF1)。

本当に数えるほどしかないネット上の情報によると、かつてソニーは『PLACIDO(プラチド)』という高級システムコンポのブランドを展開していたそうで、これはその付属スピーカーであったとのこと。フルセットの「LBT-VF3」が23万円*1というお値段なので、システムコンポとしては高級品の部類と言って間違いないでしょう。ちなみにこの製品、世に出たのが92年だったらしく場合によっては5万円くらいで買えたとか。こういうのもなんとまあバブルなお話。

海外フォーラムにはこのプラチド一式を日本人に譲ってもらったというユーザのちょっと興味深い書き込みがあって*2、曰く「かつてソニーウォークマンのデザインを担当していた人から頂いた。ソニーはこのスピーカーのデザインのためになんとB&Wの人間を雇っていたそうだ」*3と。まあB&W云々が事実かどうだか知るよしもありませんが、目の前にしたときのシンプルさ、上品さ、良い意味での主張の弱さは好みです。なるほどまさにプラチド(伊語で「落ち着いた」の意)。

*1:aucview.aucfan.com

*2:http://www.audiokarma.org/forums/showthread.php?t=423268

*3:ここでいう「design」はどちらかというと設計という意味の方が強いのかもしれません