先週のA&G Lady Go!!金曜日(大学でロシア語を専攻されている上坂すみれさんのラジオ)によると、いわゆる「パブロフの犬」というのが実は衝撃的な内容の実験なんだというので、そんなこと初耳だった自分は早速図書館からこの本を借りてきたのでした。
一般によく知られる「パブロフの犬」の話というと、「犬の中でベルの音と餌の時間というものがリンクするようになって、ベル音を聞くだけでよだれをたらしてしまう」とその程度のもので、それをパブロフがいったいどのような実験で証明してみせたかという点については意外と知られていないんじゃないかと思います。
動物の胃液は何を引き金として分泌されるのか。「食べ物が胃を物理的に圧迫するのが要因だ」という考えが広まっている一方で、パブロフは、犬の食道に穴を開けてえさが胃まで到達しないようにし、かつ、胃には体外へ通じる管を通すことで発生した胃液を計測できるよう手術を施しました。実験の結果、「胃液は、食物が胃に到達しなくとも食欲によって分泌される」という結果を得て、さきほどの物理的圧迫による説に反論したわけですな。
パヴロフ―脳と行動を解き明かす鍵 (オックスフォード科学の肖像)
- 作者: ダニエル・P.トーデス,オーウェンギンガリッチ,Daniel P. Todes,Owen Gingerich,近藤隆文
- 出版社/メーカー: 大月書店
- 発売日: 2008/07
- メディア: 単行本
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